「グー・パー・ぐるぐる・ごっくん・ベー」「あ・い・う・べ」…。鹿児島県歯科医師会が、県と県歯科衛生士会と共に普及に取り組んでいる「健口体操」です。閉じたり開けたり、下を出したりと、口を大きく動かす体操は、口腔機能の発達促進や維持向上に効果があります。
食べる、話すなどの機能は乳幼児期から学齢期にかけて発達し、成人期を経て返戻を重ねるとともに低下してきます。乳幼児期は「かむ・飲み込む」などの機能の獲得と、よくかむことで適切なかみ合わせや顎の発達を促進する時期でもあります。うまく飲み込めない子どもや、日常的に口が開いた状態(ぽかん口)の口呼吸の子も増えており、口輪筋や頬、舌など口の周りの筋肉の発達不全が大きな原因です。
また、高齢期になると「かめないものが増えた」「食べこぼしが増えた」「発音がはっきりしない」「食事中にむせる」などの症状に悩む方も増えてきます。一つでも該当すると「オーラルフレイル」(口の機能の衰え)が疑われます。
口腔機能の衰えは全身の機能の衰えにつながるため、機能を維持し、向上させることは大切です。むし歯や歯周病の予防や治療、義歯など補綴物によるかみ合わせの再建だけでなく、お口の周りの筋肉のトレーニング、健口体操も役立ちます。
健口体操では、脳の血流アップや唾液の分泌促進、呑み込みがスムーズになることも期待できます。そのため、食事前に行うとより効果的です。
継続には楽しさが欠かせません。集いの場などで、みなさんで行ってほしいと思います。「健口体操」を楽しんで「健口長寿」を目指しましょう。
(鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 名越太)
健口体操で維持向上を 口腔機能