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唾液 分泌促し口内を清潔に

 唾液は口の中の健康を維持するために重要な役割を果たしています。1日の分泌量は個人差があるものの、通常は11.5リットルとされます。多さに驚くかもしれませんが、無意識に飲み込んでいるため、量を実感することはほぼありません。

 唾液の量は食事中や会話中など状況で変動します。例えば食事時は睡眠腺が刺激され、分泌が促されます。特に酸味の強いものや香辛料の効いた料理はより促進効果があります。一方、唾液が不足すると、味を感じることや食べ物を飲み込むことが困難になります。

 唾液には口内を清潔に保つ動きがあります。食後、口の内に残る食べかすを洗い流し、細菌の繁殖を抑え虫歯を予防してくれます。また、口内が酸性になると歯のエナメル質が溶け出し虫歯になりやすくなりますが、唾液は酸を中和する役割も担っています。

 加齢に伴い唾液腺の機能が低下するため、分泌量は減る傾向があります。しかし、高齢者の中には過剰に出る人もいます。これは飲み込む力の弱まりが原因と考えられています。抗うつ薬や抗ヒスタミン薬など一部の薬は副作用で口の乾燥を引き起こし、唾液の分泌を抑制することがあります。

 唾液が少なくなると、飲み込む機能が低下し、口臭や虫歯などのリスクが高まります。そのため、日常的な水分補給や、唾液の分泌を促進するマッサージが重要となります。

 マッサージは、①両耳の前で上の奥歯の当たりを後ろから前に10回もむ②下顎の骨の内側を耳から顎に向かって5ヶ所ほど5回押し上げる③両手の親指で顎の真下から10回押すー以上を23回繰り返します。食前に行うのがおすすめです。

 

(鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR 理事 要 光)

 

唾液 分泌促し口内を清潔に
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