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口腔機能低下症 検査で現状知り改善を

 歯科医院で、さまざまな検査ができることを知っていますか。治療するに当たり、現状を把握することは大変重要です。皆さんが受ける機会が多いものに、歯周病の検査があります。歯と歯茎の隙間の深さを測り、歯茎の炎症の程度を調べます。これは治療の指針づくりに大いに役立ちます。口腔内の状況に応じた歯磨き方法があり、自分に合った磨き方をすることが症状改善につながるからです。

 最近、「口腔機能低下症」が増えています。加齢や障害が要因となる疾患で、発症すると口腔内の感覚、そしゃく、嚥下、唾液分泌などの機能が低下し、全身の健康を損なっていしまします。全身疾患との関連で50歳くらいから症状が現れる方もいますが、65歳以上になってくると大きな病気の経験がなくても、該当する方が増えてくるようです。

 判断するためには口腔機能精密検査を行います。症状に応じ、舌苔の付着程度や口腔内の乾燥状態の測定、「パ」「タ」「カ」と同じ言葉を5秒間繰り返す運動機能検査、かむ力や舌の力の運動能力などを調べます。口腔機能低下症と診断された場合、その低下してしまった機能を改善するために、トレーニングがとても重要です。症状に合わせた体操は、道具を使わず手軽に始められるものも多くあります。

 専門性の高い検査もありますので、どこの歯科医院でもできるわけではありません。しかし現在、少しずつ対応する医院も増えてきているようです。かかりつけ医に相談し、検査を通して自分の現状を把握してみましょう。少しでも改善させることが、健康寿命を延ばすことにつながります。

 

(鹿児島県歯科医師会 情報対外PR委員会委員 石神慶一郎)

検査で現状知り改善を
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