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顔面や全身に影響及ぼす 片噛み

 食べ物をいつも同じ側で噛んで食べることを片噛み(片側噛み・偏そしゃく)といいます。虫歯や歯周病の痛み、歯が欠けたり抜けているための噛みにくさが原因で、歯並びや義歯などの噛み合わせが悪い場合も片噛みにつながります。

 人には利き顎もあります。ピーナッツや粒状のガムを1粒口に入れた時に、ほとんどの人が左右どちらかで噛みます。その噛む側が利き顎です。片噛みを続けると、口の中だけでなく顔面や全身に影響が出てきます。噛まない側は唾液による自浄作用が低下するため、虫歯や歯周病になりやすく、歯並びも悪化します。

 片噛みは、よく噛む側の顎の筋肉ばかりが鍛えられてバランスが崩れ、顔面にゆがみを生じる原因の一つになるとされています。眉毛や笑った時の口角の高さが左右で違っていませんか。また顎が鳴ったり、口を大きく開けると耳の周辺に違和感や痛みが出たり、時には突然口がほとんど開かなくなることもあります。顔面のゆがみは全身のゆがみとなり、腰痛や頭痛、めまいや耳鳴り、疲れ目などの症状が出てきます。

 全身に影響を及ぼす片噛みにならないために、幼少期から虫歯や歯周病の予防・早期治療を行い、左右両方で噛むことを意識しましょう。

 片噛みの改善方法に、ガムトレーニングがあります。粒状のキシリトールガムを1粒は片噛みしている側、2粒を反対側に入れて10分間鼻呼吸をしながら噛みます。顎関節に異常がある場合は状態が悪化することがあるので無理には続けないでください。全身の健康のためにも、片噛みに気を付けてみてください。

(鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 名越 太)

顔面や全身に影響及ぼす
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