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新たな治療技術身近に 診療報酬改定

 皆さんの中には歯科医院の治療費がどのように決まっているのか、疑問に感じている人も多いと思います。実際、健康保険の規則は非常に複雑で分かりにくいのが現状です。

 ニュースで見聞きするかと思いますが、2年に1度の診療報酬改定が今年の3月に行われ、6月から新しい健康保険制度の下で保険診療が始まります。保険診療は処置内容によって細かく保険点数が決められています。110円の計算で、その金額の13割を患者が窓口で負担することになります。

 初診か再診、前歯か奥歯、虫歯の詰め物の大きさや根っこの数など細かく決められています。かぶせ物や入れ歯、ブリッジも大きさや使用材料などで点数が変わります。

 見方を変えると、保険診療は制限のある診療なのです。保険で認められていない先端技術や最新材料、高額材料などを使用した場合は、保険外診療・自由診療となります。

 今回の改定でも新しい材料、新技術が採用されています。治療部位や大きさなどの条件が合えば、今まで自由診療だったものが保険適用となります。

 近年新しく採用された治療法としては、CADCAMインレー(詰め物)、CADCAM冠があります。セラミックとプラスチックを合わせたハイブリッドレジンと呼ばれる白い素材です。プラスチックだけでは強い力が加わった場合、割れる危険性がありましたが、セラミックと混ぜ合わせることで高い強度を実現しています。また、金属を一切使用していないので、金属アレルギーの心配もありません。今回から部位によっては光学印象法(光学スキャン)も対象になります。口腔外科治療も部位や本数・大きさなどによって細かく決まっていますので、不明な点はかかりつけ歯科医に相談してください。

          (鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 毛利英樹)

新たな治療技術身近に
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