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適切な量をよく噛んで 窒息事故防止

 学校給食でウズラの卵をのどに詰まらせ、小学1年生が死亡するという痛ましい事故がありました。以前もミニトマトやリンゴで同じようなことが起こっています。高齢者が餅を食べて窒息死する事故も後を絶ちません。

 前出の事故を受け、原因とみられるウズラの卵を献立から外す動きが広がりました。学校給食に関わる方たちの立場からすると、仕方ないことなのかもしれません。報道もこの点に注目したものが多かったように感じます。しかし歯科医師の立場からすると、口いっぱいに食べ物を入れないことや、よくかむことといった、のどに詰まらせないポイントをもっと周知してほしいと思います。

 昔は家族団らんで食卓を囲み、「口いっぱいに頬張るのは行儀が悪い」「よくかんで食べなさい」など口酸っぱく言われたものでした。昨今は孤食も多くなり、食べ方を教わる機会も減っています。子どもたちも習い事や塾で忙しく、急いで食事をしなければならない状況が増えているようです。

 県歯科医師会では、一口につき30回かむ「カミング30(さんまる)」を推奨しています。よくかむことで口に入れた食べ物が細かくなり、唾液とよく混じり、のどに詰まりにくくなります。胃腸の負担も減り、あごの発育も良くなり、きれいな歯並びに導いてくれます。さらに脳を刺激して認知症予防にも役立つと言われています。

 食事時の水やお茶の取り方にも注意を。かまずに流し込んでいませんか。椅子の場合は足が床に着いていないと体のバランスが取にくく、うまくかめません。小さなお子さんは足乗せ台などを使いましょう。あごを引き、背筋を伸ばすよう姿勢も気を付けてあげてください。

(鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 石橋 貴樹)

適切な量をよくかんで
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