転んだりぶつかったりすると、歯が欠けたり抜けたりしてしまうことがあります。唇などから出血していたら、まずはきれいなガーゼなどでその部位を押さえて止血してください。
欠けた歯を接着する、あるいは抜けた歯を植え直すことで、元のように使える場合があります。欠けた歯、抜けた歯が残っていたら、その歯を持ってできるだけ早く歯科医院で治療を受けることを勧めます。
その際、抜けた歯の取り扱いには特に注意が必要です。ティッシュやハンカチに包む方がいますが、歯の根にある歯根膜という組織は非常に乾燥に弱く、口の外では30分ほどしか生存できません。なるべく歯根膜がある歯の根を触らないように扱い、牛乳や歯の救急保存液などに浸して乾燥を防いでください。歯根膜の状態が良ければ、元のように使える可能性も高まります。
ぶつけた後に歯がぐらぐら動いたり、歯の位置が以前と違ったりする場合があります。歯の根の部分が折れているか、歯が脱臼していることも考えられます。必要に応じて歯を元の位置に戻してから、固定などの処置を行ったうえでしばらく経過を見ます。
大きなけがをした際は口だけでなく、頭部やその他の部位を打撲したり傷を負ったりすることもあります。めまいや吐き気といった症状があればまず脳神経外科などを受診しましょう。
歯に痛みがなく症状が軽い場合でも、時間がたってから歯の色が暗くなってきたり、歯肉が腫れてきたりと、症状が出てくるときもあります。歯を打つようなことがあれば、念のため、歯科医院で診察を受けるとよいでしょう。
(鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 尾立健太郎)
その歯持って早期受診を 欠け、抜けたとき